同期とは比較させない、しない、ということ

団塊世代の大量退職などにより、若手新入社員にも同期入社のいる環境も少しつつではありますが増えてきています。中小企業などでは同じ職場内に同期の存在があるというのも珍しくはないでしょう。仲間がいることは心強いものですが、人材育成の点からみると危うい部分も含まれています。同期同士で群れることや、不平不満を言うなどのいわゆる「負のスパイラル」の温床にもなりえるのです。また、他の同期の話を聞くと、「隣の芝は青く見えるもの」のごとく、非常に気になる存在となってしまうのです。ライバル心を持つことはいいことなのですが、ゆがんだライバル心を芽生えさせると、職場自体にも影響がでかねません。ただでさえ気になる存在なのです。まず意識することは、「同期とは比較させない」ことです。もちろん、健全な競争であれば問題はありません。しかし、他の部署に配属された同期が職場の環境が恵まれていそうかどうか、活躍できているかどうかなどの比較はさせないでおくのです。低レベルでの安堵感やライバル心しか生まれないようにすることが大事です。
勝負をさせるのならいっそうのこと「同期と勝負するのではなく、ずっと上の先輩と勝負しよう」と指導を行うべきなのです。高いスキルや経験を持つ先輩と勝負や比較することによって、自分自身がより成長するものなのです。「あの先輩に営業成績で勝つにはどうすればいいのか、自分自身で考えていますか?」などと、常に投げかけを忘れずにしましょう。もうひとつ、マナーとして絶対にしてはいけないことは、上司や先輩の立場で「同期と比較」しないことです。これは、新入社員にとって、これほど屈辱的であり、心に傷を負うことはないのです。情けない気持ちしか生まれません。やる気をなくすだけなのです。比較するなら、むしろ、先輩と比較した方が発奮する材料になります。モチベーションを維持するために、「同期のあいつはすごいぞ」などといった言葉は絶対にかけないようにしましょう。
「褒める」「叱る」といった行為自体は新入社員を成長させるのに効果的であることは間違いありません。それ自体は大切なことなのですが、歪んだ気持ちが生まれないよう、同期と比較したうえで褒めたり、叱ったりすることは絶対にさけるべき点です。もちろん相手の性格の部分などの問題もありますが、「同期とは比較させない、しない」ということは、若手社員の育成の鉄則であるといえるのです。